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東京23区と多摩地域、子育て支援はどっちが得?

公開日 2026年07月29日|東京都53自治体の制度を、公式サイトで1つずつ確認して金額に換算しました。

結論: 大半の自治体は「18年間で約407万円」で横並び

子ども1人(第1子)が0歳から18歳まで育つ間に受け取れる金額に換算すると、53自治体のうち34自治体が約407万円で並びます。どこに住んでも受け取れる児童手当(国)と018サポート(東京都)で約359万円、そこに給食費の無償化(9年間で約48万円相当)が乗る、という構造がほぼ共通だからです。

東京都が2024年度から給食費無償化に補助を出し、医療費も18歳まで自己負担なしが標準になった結果、「23区は手厚い・多摩は薄い」という昔のイメージはもう当てはまりません。差がつくのは次の4つだけです。

53自治体の金額一覧(18年間の概算・高い順)

約515万円
千代田区(1自治体)
中高生世代応援手当
約503万円
日の出町(1自治体)
未来わくわく支援金
約423万円
江戸川区(1自治体)
乳児養育手当
約404万円
町田市小金井市小平市国分寺市国立市清瀬市東久留米市多摩市稲城市羽村市(10自治体)
小学生から通院1回200円
約359万円
渋谷区(給食費の無償化なし)中野区(給食費の無償化が確認できず(0円として計算)・通院の自己負担は要確認)檜原村(給食費の無償化が確認できず(0円として計算))奥多摩町(給食費の無償化が確認できず(0円として計算))(4自治体)
約358万円
青梅市(1自治体)
給食費の無償化が確認できず(0円として計算)・高校生のみ通院1回200円
約356万円
八王子市(1自治体)
給食費の無償化が確認できず(0円として計算)・小学生から通院1回200円

自治体名を押すと、計算の内訳と制度の出典が載った各自治体のページが開きます。23区の平均は約408万円、多摩26市4町村の平均は約403万円。

差がつくポイント① 給食費(9年間で約48万円)

都の補助で無償化が一気に広がり、53自治体のほとんどが小中とも無償です。例外は、無償化を実施していない渋谷区と、公式ページで無償化を確認できなかった中野区・八王子市・青梅市・檜原村・奥多摩町の5自治体(0円として計算)。給食費は学校ごとに違うため、換算には青梅市が公表する給付額(小学生 年49,500円/中学生 年61,050円)を使っています。

差がつくポイント② 通院1回200円が残るかどうか

医療費助成は53自治体すべて18歳年度末までありますが、八王子市・町田市・小金井市・小平市・国分寺市・国立市・清瀬市・東久留米市・多摩市・稲城市・羽村市の11市は小学生から通院1回200円の自己負担が残ります(青梅市は高校生のみ)。月1回の通院なら年2,400円、12年間で約3万円。金額は小さいものの、通院が多いご家庭は気に留めておく価値があります。

差がつくポイント③ 自治体独自の「継続する」手当

中高生世代応援手当 月15,000円(中学生〜18歳年度末)= 6年間で108万円。この1本で合計約515万円と頭ひとつ抜けます
未来わくわく支援金 月5,000円(0歳〜15歳年度末)= 96万円。中学卒業時の10万円(未来旅立ち支援金)も別にあり、多摩で唯一の大型継続手当。合計約503万円
乳児養育手当 0歳児に月13,000円 = 15.6万円

このほか出産・1歳前後の一時金(5〜10万円相当)は多くの自治体にあり、大きな差になりません。各自治体ページの「目玉制度」欄でご確認ください。

差がつくポイント④ 住宅の助成 — 「家賃の23区・購入の多摩」

ここは上の18年間の合計に含めていません(住み方で金額が大きく変わるため)。傾向ははっきりしていて、23区は賃貸の家賃助成、多摩の西側は購入・移住への助成が中心です。

23区: 家賃助成型

次世代育成住宅助成 月8,000円〜88,000円(最長8年)
親元近居の新婚・子育て世帯の転入、または区内1年以上居住の子育て世帯の区内転居。世帯所得要件あり
出典 →
民間賃貸住宅家賃助成(子育てファミリー世帯向け) 月額上限3万円・最長5年
義務教育修了前の子と同居・家賃22万円以下・世帯前年総所得520万円以下。年1回(10月頃)募集
出典 →
子育てファミリー世帯家賃助成制度(令和7年4月〜) 月額上限3万円(最長5年)
15歳以下の児童を扶養・区内転居・前年世帯月額所得33.8万円以下・家賃17万円以下
出典 →
ファミリー世帯家賃助成 月額2万円(最長3年)
18歳未満の子と同居・区内民間賃貸(家賃5〜18万円)・所得基準以下。令和8年度募集は終了(次回募集は要確認)
出典 →

このほか、専用住宅に限った家賃補助(中央区・墨田区・杉並区)、ひとり親世帯限定の助成(練馬区・文京区・中野区など)もあります。

23区: 住宅取得・転居への助成も増加中

子育て世帯等住宅取得支援事業補助金 一律10万円
高校生年代以下の子がいる世帯または夫婦いずれかが40歳未満。床面積50m²以上・令和6年12月6日以降の契約
出典 →
子育てファミリー世帯転居費用助成 住宅購入で上限30万円/賃貸転居で上限15万円(子3人以上は+2万円)
区内2年以上居住・転居後5年以上区内居住予定・令和8年4月1日以降の契約・転居後6か月以内申請
出典 →
親子住まいる応援事業 住宅取得の登記費用を助成(上限20万円)
子育て世帯(18歳未満扶養)または若年夫婦世帯が親と近居・同居のため住宅取得。床面積55m²以上・事前承認申請が必要
出典 →
「ずっと、世田谷。」定住応援事業ほか 定住応援:現金30万円+せたがやPay10万pt(計40万円相当)/住み替え応援:せたがやPay10万pt/多世代近居・同居:最大30万円
未就学児のいる子育て世帯、または39歳以下の若者夫婦世帯等
出典 →
多世代住み替え支援事業(令和8年4月開始) 転居費用等を助成(上限20万円)
18歳以下の子を扶養する世帯が、区内1年以上居住の親世帯と近居・同居のため転居。転居後3年以上区内居住の意思等
出典 →

品川区は2026年4月以降の契約、板橋区は2026年4月開始など、新しい制度が続いています。

多摩: 購入・移住に大きい金額

移住・定住応援補助金(住宅の新築・増改築・改修・既存住宅の取得) 事業費の1/2以内・限度額200万円。町内業者施工・地場産材利用でそれぞれ10万円分の町内商品券を上乗せ。融資400万円以上かつ償還10年以上なら利子補給(年30万円限度、町内金融機関利用で最大33万円を36か月分)
45歳以下の夫婦(世帯主は46歳の誕生日前日まで)、18歳年度末までの子がいる世帯、35歳以下の単身者のいずれか。事業費10万円以上・事業実施後1年以内に申請
出典 →
檜原村定住促進空き家活用事業 空き家登録時5万円+入居後10万円、改修費1/2(上限100万円)、家財処分費1/2(上限10万円)、購入時の利子補給(上限100万円)、解体費(上限100万円)、引越費用10万円+中学生以下の子1人につき5万円
改修は建築後10年以上経過・村内業者施工、解体は建築後30年以上経過など事業ごとに条件あり
出典 →
三世代近居・同居促進助成金 上限30万円(新築・購入費、登記費、引っ越し費。同居の場合は親世帯所有住宅の改修費も対象)
18歳未満の子を養育する世帯主50歳未満の世帯が市外から転入し、親世帯と同居または直線距離2km以内に近居。転入後5年以上の継続居住見込み。滞納なし・生活保護非受給・他補助金との併用不可
出典 →
子育て世帯に対する親世帯近居等促進助成金 上限20万円(住宅取得費用〈最初の契約のみ〉または引っ越し費用〈運搬費のみ〉)
子育て世帯全員が市外から市内に転入して親世帯と近居または同居。転入後5年以上の継続居住見込み。親世帯が申請時点で1年以上市内に居住し市税の滞納がないこと。過去にこの助成を受けていないこと
出典 →
優良住宅取得推進事業 家屋分の固定資産税・都市計画税相当額(上限10万円)を最長5年間助成。土地は対象外
市内で長期優良住宅の認定を受けた新築住宅(延べ床90㎡以上、マンション等は70㎡以上、2021年1月2日〜2026年1月1日に建築)を取得し、16歳に達する年度までの子と同居する納税義務者。市税の滞納がないこと。毎年度申請が必要
出典 →

金額は大きいものの、対象年齢・転入要件・施工業者などの条件が細かいので、必ず出典で最新の要件をご確認ください。

宅建士×CFPのまとめ: 制度の差より、物件価格の差の方がずっと大きい

ここまで見たとおり、制度の差は18年間で約356万円〜約515万円の幅、最大でも160万円ほど。いっぽう同じ間取りの物件価格は、23区と多摩で数百万〜数千万円違います。つまり順番は「①無理のない予算 → ②通勤・学区 → ③最後に制度を確認」。制度で住む街を決めるのではなく、候補に挙がった街の制度を取りこぼさないのが正解です。

「約407万円なら横並びだから、どの街でも同じ」でもありません。無償化の多くは「当面の間」の時限措置で、財政力によって続けやすさが違います。そこまで含めて家計に織り込むのが、私たちの相談メニューです。

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